オゾン層の破壊

地球から放出されたフロン類は成層圏に達し、オゾンを分解します。
その結果、太陽から照射された紫外線は地球に到達しやすくなります。

オゾン層の分解

CFCはそれ自体の毒性は低く、対流圏では物理的・化学的にきわめて安定的な物質です。
CFCは、成層圏に到達すると、強い太陽光線により分解され、塩素原子が生成します。
ClOラジカルは不安定な中間体であり著しく反応性に富みます。
ClOラジカルは分解し、再び塩素原子が生じます。
すなわち、塩素原子が触媒として働くことにより成層圏で層状に存在するオゾンが分解されることになります。
オゾン層の破壊に対するCFCの寄与度はきわめて大きいといえます。
HCFCはCFCに比べオゾン層破壊に対する寄与度は小さいですが、その排出量が多くなるにしたがい寄与度は大きくなります。
一方、HCFCはCFCに比べて地球温暖化に対する寄与度は大きいといえます。
HFCはオゾン層の破壊にまったく関与しませんが地球温暖化に対する寄与度が大きいこともまた特徴でしょう。

オゾンホール

成層圏においてフロン類によってオゾンの破壊が進行し、オゾン層が近年徐々に薄くなってきました。オゾン層が著しく薄い箇所をオゾンホールと呼んでいます。

オゾンホールには次の特徴があります。

①南極・北極などの上空に発生する。特に南極上空。
②春から初夏にかけて発生する。

オゾンホールは1981年頃から出現しはじめました。
2000年9月には南極の上空の成層圏において破壊されたオゾンの量は9,622万トンになりました。
また、気象庁の調査によるとオゾンホールの面積は2,918万km2でした。

紫外線による被害

成層圏におけるオゾン層が薄くなることにともない、紫外線が地球の表面に到達しやすくなり、地球上で紫外線の量が増加するようになります。
その結果、紫外線により人間および動物・植物に被害がもたらされます。

紫外線の種類

紫外線はその波長により次のように分類されます。

①UV-A(315nm以上400nm未満)
大半がオゾン層に吸収されず地球上に到達する。
②UV-B(280nm以上315nm未満)
大半がオゾン層に吸収されるが一部が地球上に到達する。
③UV-C(280nm未満)
すべてが近年オゾン分子および酸素分子により吸収され地球上に到達しない。

nm(ナノメートル)は長さの単位であり、1nmは1mの10億分の1となります。

人間への被害

紫外線が人体に及ぼす被害は次のとおりです。

UV-Aによる被害

UV-Aの有害性は低い。
UV-Aによる被害は次のとおりです。

①皮膚のシワ
②皮膚のたるみ
③皮膚の老化

UV-Bによる被害

UV-BはUV-Aに比べ、きわめて有害です。
UV-BはUV-Aの600〜1,000倍の有害性を有しています。
UV-Bによる被害は次のとおりです。

①皮膚の炎症
②皮膚のしみ・そばかす
③皮膚の水ぶくれ
④皮膚のがん
⑤結膜炎
⑥白内障
⑦免疫低下

UV-Cによる被害

UV-CはUV-Bより有害です。
UV-Cは近年、地球上に到達していません。
そのためにUV-Cによる被害は確認できていません。

動物・植物への被害

紫外線が動物・植物に及ぼす被害は次のとおりです。
動物への被害
魚介類の減少
植物への影響
①不稔率の増加
次世代の植物が育たない。
②病害虫に対する抵抗力の弱体化
③植物プランクトンの減少